オオイタビ

ワイルドフルーツジャーニー

国産の野生イチジク、オオイタビの果実を味見していこうと思う。

イチジク属の国産野生種の中では果実が大きく、また台湾では変種が種子のペクチンを利用した愛玉子というゼリー状のデザートの材料に使われているため期待ができる。

フィカス・プミラの名前で園芸品種もあるため稀に都会で果実を見ることがあるが、野生下では海岸沿いの岸壁や樹木に絡みついて成長するつる性の様な植物だ。

以前どこかのブログで、完熟して割れているオオイタビよりも、完熟手前で割れていないオオイタビの方が甘くて美味しいと目にしたことがあるため、

割れたものと割れていないが柔らかくなったものを用意した。

割れているもの、果肉の黄金色が美しい。

割れずに柔らかくなったものに比べ割れたものは総じて果皮が硬い。

オオイタビにはほとんどの木で見られるほど割れた果実があるが、これはもしかして完熟サインではなく完熟手前での裂果なのでは?

味見してみよう。

ペクチンのゼリーの様な食感の中にイチジクの種子よりも更に小さい種子のサラサラとした粒感。

さっぱりとした甘味と香りが同定できないほどにほのかな甘い香り。

まぁまぁ美味い、市販品のくず餅のような薄甘い和菓子の味に近い。

糖度はよくあるミニトマトくらいの8.9、イチゴなら酸味の少ない桃薫あたりだとこのくらいでも甘いが、とちおとめあたりだとまぁまぁ酸っぱいくらいの糖度。

オオイタビには酸味が皆無なのでそこそこ甘い。

では次は柔らかくなっているが割れていないもの。

オオイタビの果皮はシチリアのシエロ・ステラーノという星空のような黒地に白点の果皮を持つイチジクに似て美しい。

柔らかく、断面も深い黒紫の果皮に、半透明でゼリー状な果肉がまるで完熟した巨峰の様相。

うん、スプーンですくって眺めてみるとやはり先ほどの割れ果実よりも食欲をそそる美しさだ。

口にいれると先ほどの割れ果実よりはるかに甘く、ペクチンのゼリーも弾力が強い。

香りもマスカットやレモンに存在するリナロールの甘い香りと、わずかにベンズアルデヒドの杏仁香のようなものが後味に感じられる。

糖度もこの通りかなり高い、野生で17%を超えるなど中々優秀な野生果樹と言える。

割れたオオイタビ=完熟果実

ではなく

割れずに軟化したオオイタビ=完熟果実

でやはり間違いないようだ。

最も味が良かったオオイタビの果実はこの様に果皮の斑点が薄れていた。

多くのオオイタビの木に普通に見られる割れた果実は完熟ではなくただ完熟手前で裂果した果実であり、本来はこの様に軟化してさらに斑点が薄れ黒1色に近づくのがオオイタビの完熟サインなのだろう。

オオイタビも他のイチジク属と同じくオス木とメス木があり、コバチにより受粉される。

オス果はこの様に花粉がぎっしりで食べてもパサパサするだけだ。

イチジクとの受粉も可能で、海外にはオオイタビ由来のサツマイモネコブセンチュウ抵抗性があるというルースバンクロフトという台木用のオオイタビハイブリッドイチジクが存在するが、ルースバンクロフトはオス木なので果実は食用ではない。

俺はイチジクのLSU Champagneとオオイタビを交配してみた。

ハイブリッドはややテカリが強く、イヌビワハイブリッドよりも成長が早い。

壁や木を這い登り、支えがないとしだれるオオイタビと異なりハイブリッドは自立出来る。

オオイタビと同じく這い登るときに張り付くための気根が多く発生するのがイチジクとの違いか。

葉に切れ込みがないオオイタビとは異なり、ハイブリッドは3裂する葉も多い。これは先述のハイブリッド台木品種のルースバンクロフトにも共通する。

オオイタビの裂果が受け継がれるか、LSU Champagneの多すぎる生理落果が受け継がれるか

ハイブリッドの成長に期待ですね。

ではまた。

コメント

  1. よいち より:

    すげー。
    イヌビワに似てるけどでっけーな
    食べたけどあんま美味なかったなあ

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