
正か邪か、シャインマスカットにおける完熟ゴールデンシャインか、緑色こそが本物のマスカットか
みたいな話しがたびたび某SNSでは話題になる。
シャインマスカット黎明期に俺自身も、JAふえふきのシャイン農家さんとのレスバの経験があり
JAふえふきのその農家さん曰く誰よりもシャインマスカットを食べている自分が思うにシャインマスカットは黄熟すると甘いだけで香りがない、市場の評価こそが正しい。と言っていたか。
俺はその時なんと返したか、マスカットは2000年より昔からその甘い香りと糖度の高さから珍重されてきたものなのだから、甘いということを悪にするのはどうかと言った気がする。
あとは昭和の時代のマスカットジュースのパッケージが緑色のマスカットを描いていたから昭和生まれの人がマスカット=緑色と刷り込まれているがために市場も緑色のマスカットしか認めないのでは?とも聞いた気がする。
そんな話しをJAふえふきの女画像アイコンの農家としたあと
その数日後に彼は何かがマズいと判断したのかアカウントを削除していた。
俺の認識では黄熟しないと甘さが足りず、香りも青臭いのがシャインマスカット。ただし黄熟はただそれ以上熟さないよという成長限界を迎えただけなので、黄熟しても環境が悪いシャインは甘くもなければ香りも弱い場合がある。




この画像は最もよく販売されているJA中野の大粒なシャインだが、黄熟しても緑色でも糖度に大差なく、マスカット香は黄熟していないものは弱く青臭い雑味がある。
つまり環境が良い場合には黄熟すれば糖度30近くなり、マスカット香も強くなる。環境が悪い場合には黄熟しても糖度は緑色と変わらずだが同じ環境の緑色よりは香りが強くなる。

しかし、面白いことに今現在、完熟ゴールデンシャインが市販されているのを見るのはJAふえふきのものばかりだ。
そういえば某SNSには果物評論家気取りで味の中に見た物を書かずに美味いか不味いか程度の稚拙な感想文しか書かない一団がいるが、彼らが以前JAふえふきのシャインは黄色いものを出していてマジ終わってる。みたいな話しをしていたな。
市場の人が「勘弁してくれ、コレはもう無理だ。」と言っていたツイートを見ての彼らの反応だったか、市場の人は流通の問題で傷みやすいという意味で言っていたのだと思うが…

ということでアカウント削除女性アイコン農家の北国キャメラさんの事を思い出しながらJAふえふきの完熟ゴールデンシャインと、俺が思うに環境が良かった場合に糖度24程度になる三分の一程度だけ黄熟した完熟しはじめの三割金シャインを買ってきた。

三割金シャインを買ってきたのは、以前日川白桃を頂いた某農家や、北国キャメラさん、熱海のレモンニキなどが
黄色いシャインにマスカット香を感じないと言っていたりするので
何故、総モノテルペノイド量が緑色の2倍にもなり、リナロール含有量も2倍になることが分かっている黄熟シャインより
香り成分半分以下の緑色のシャインにマスカット香を感じる人がいるかを説明するため。

まぁ、まずは味見してみようか、これはもしかしたら北国キャメラさんが作ってるのかなとか考えながら買ってきたモスカート・ルチェンテ(光り輝くマスカット)。

今回の黄金シャインは糖度29.1か。
まず口に入れるとマスカット特有のロウの様な質感でやや肉厚な果皮にリナロールのふわりと甘いシャープなシトラス感が欠如した柑橘香、咀嚼すると引き締まっているが柔らかい崩壊性の果肉、そしてガムシロップの様な強烈な甘味にα‐テルピネオールの粉っぽい甘さとゲラニオールの薔薇風味が合わさり僅かなジャスミンのような樹脂香、のどに通る瞬間のミルキーな風味はリナリルアセテートだろう。強烈だが後を引かない甘さはスチューベンに近い。

お次は三割金シャイン、もし、糖度の高まりが香りの甘さに追いついた時点から香りが感じられなくなるのだとしたら糖度24程度であろう三割金色に色づいたシャインなら黄熟と未熟の風味が上手い具合に合わさると思うがどうだろうか

まぁ、予想通りの糖度。
ちなみに糖度は一番糖度の高い肩部の一番上の果実を計測している。

さぁ、食べてみようか
マスカット特有のロウの質感で肉厚な果皮、咀嚼するとリナロールの甘い香りにローズオキシドとゲラニオールによる僅かなライチ香が乗り果肉は黄熟よりやや引き締まって固い。十分強い甘味にかすかな酸味があり、噛みしめると果皮にかすかなヘキサノールなどの青さ感じる。

緑色と黄金色の違いはまず糖度の高さ、黄熟すれば最も糖度が低い部位でも糖度27に至るが、緑色だと黄熟手前でも糖度23が平均、良くて24。三割金シャイン状態では24に至る。
黄熟すると香りではマスカット香は2倍増加するが、よりもバラ香が感じにくくなる。
緑色では酸味や青臭さなどの雑味がある。

調べてみると黄熟するとやはりローズオキシドが消滅し、代わりに以前から知られるようにリナロールなどのモノテルペノイド系マスカット香が2倍以上増加している。
ゲラニオールはやや下がっているが、これは個体差の域。
つまり黄熟シャインが至高な人は高い糖度とリナロール主体のモノテルペノイド香をマスカット香と認識できるが、
緑色のシャインが好きな人は糖度の甘さが甘い香りの強さに追いつくと、リナロール主体のモノテルペノイド香を感じとれず。モノテルペノイドの中でもローズオキシドのバラ香をマスカット香だと感じており、未だローズオキシドのバラ香がある緑色の果実を好む
ということだろう。
ただ、ローズオキシドの香りが欲しいならシャインマスカットよりも、ネオマスカットの方がローズオキシドの香りが強いバラ香のマスカットだ。
ただ、ネオマスカットはジベレリンで種無しにならないのではないかと思う。
マスカット系はなぜか神々の加護がありジベレリンでも種無しにならないという特性があった。
そんな中ジベレリンで容易に種無しになるのがシャインマスカットが広まった最初の理由だったと思う。
また、シャインマスカットはアメリカ系ブドウのスチューベンの遺伝が25%あるため当時の他のマスカット系ブドウより強健だったのも理由の1つだろう。
黄熟かどうかだけではなく、種無しにされることを否定し、種有りシャインじゃないと美味くないとか、種無し食べてると身体がおかしくなるのでは
みたいに言う人たちもいる。
つくづく人間はわがままな生き物だ。
ではまた。


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